2026/02/05
セラミック治療を検討されている方から「なぜ歯医者によって値段がこんなに違うのか?」という疑問をよく耳にします。
同じ「セラミック」という名前でも、都内のクリニックでは1本3万円台から20万円を超える例まであるんです。これだけ価格差があると、安いほうが気になる一方で「安すぎて心配」「高ければ質も良いの?」と迷いますよね。
実は、セラミック治療の値段は「材質・製作方法・設備投資・技術料・保証内容」など複数の要素が絡み合って決まります。単純に「安い=粗悪」「高い=最高」という構図ではないんです。
この記事では、歯医者によって値段が違う背景を整理し、ご自身にとって適正な選択をするための判断軸をお伝えします。

セラミックには複数のグレードや種類があります。
代表的なものに「e-max(イーマックス)」「ジルコニア」「ハイブリッドセラミック」などが挙げられます。e-maxは審美性と強度のバランスに優れた素材で、当院でも採用しています。ジルコニアはさらに強度が高く、奥歯など力がかかる部位に適していますが、製作コストも上がる傾向があります。
一方、ハイブリッドセラミックは樹脂成分を含むため、純粋なセラミックよりも安価に提供できます。ただし、長期的には変色しやすいという特性もあるんです。
つまり、「セラミック」という言葉でひとくくりにされていても、実際に使われる素材が異なれば当然値段も変わってきます。
セラミックの製作方法には大きく2つのルートがあります。
ひとつは「デジタル製作」です。口腔内スキャナーで歯型を取り、CAD/CAMシステムを使って機械でセラミックを削り出す方法。もうひとつは「歯科技工士による手作業」。職人が一つひとつ丁寧に形や色を調整しながら製作する方法です。
当院では両方に対応していますが、デジタル製作は人件費や外注コストを抑えやすいため、比較的安価に提供できます。例えばセラミックインレー(デジタル)は77,000円、歯科技工士による製作の場合は88,000円という設定です。
一方で、歯科技工士が関わる製作では、微妙な色の再現や複雑な形状への対応力が高まる傾向にあります。どちらが優れているというより、ケースに応じて使い分けることが大切なんです。
セラミック治療を提供するには、専用の設備が必要です。
口腔内スキャナー、ミリングマシン、オーブン、CAD/CAMソフトウェアなど、初期導入費用だけで数百万〜数千万円かかる場合もあります。これらの設備を自院で保有しているクリニックもあれば、外部の歯科技工所に全て委託しているクリニックもあります。
当院では、デジタル専門の歯科技工所との業務提携により、高品質なセラミック治療を従来より約25%程度製作費を抑えて提供できる体制を整えました。設備投資の方法や委託先との契約内容によって、最終的な患者さんへの料金設定が変わってくるわけです。
また、都心の一等地で開業しているか、駅から離れた住宅街にあるかといった立地条件も、家賃や人件費に影響し、治療費に反映されることがあります。
セラミック治療は「形成(歯を削る)→スキャンまたは型取り→装着→調整」という工程を踏みます。
この過程で、歯科医師の技術力や経験値が問われる場面が多いんです。形成の精度が甘いと、セラミックがきれいに入らず隙間が生まれ、二次虫歯のリスクが高まります。また、装着後の噛み合わせ調整も非常に繊細な作業です。
経験豊富な歯科医師が時間をかけて丁寧に対応すればするほど、技術料や診療時間のコストが上乗せされるのは自然なことですよね。
逆に、流れ作業のように短時間で処理する場合は安価に設定できますが、「仕上がりの質」という観点では不安が残る場合もあります。
セラミックは陶器と同じ素材のため、強い衝撃が加わると割れることがあります。
多くのクリニックでは「◯年保証」という形で、一定期間内の破損や不具合に対する再製作を保証しています。当院の場合、基本的には2年保証で、希望される方には別途11,000円で5年の延長保証もご用意しています。
この保証内容が手厚いクリニックほど、万が一のリスクをカバーするためのコストが料金に含まれているケースが多いです。また、定期メンテナンスの充実度や、緊急時の対応体制なども価格に影響します。
「安いけれど保証なし」と「やや高いが5年保証つき」なら、長期的な安心感を考えるとどちらがお得か、という視点も重要です。


東京都内のクリニックを基準にすると、セラミック治療の相場は以下の通りです。
セラミックインレー(詰め物)
セラミッククラウン(被せ物)
ジルコニアセラミックス
ただし、これはあくまで目安です。都心の一等地にある審美歯科専門クリニックでは、1本20万円を超える設定も珍しくありません。
一方で、極端に安い価格帯(3万円台など)の場合、使用する素材がハイブリッドセラミックや、製作工程を大幅に省略している可能性があります。事前にしっかり確認しましょう。
「安ければ質が悪い」と決めつけるのは早計ですが、注意すべきポイントはあります。
安価なセラミックで確認すべきこと
高額なセラミックの特徴
当院では、デジタル製作と業務提携により「質を落とさずにコストを抑える」仕組みを実現しています。高品質なe-max素材を使いながら、従来より25%程度製作費を削減できているのはこのためです。
また、万が一破損した場合も、口腔内のデータが残っているため再製作が迅速に行えます。

当院では「費用面で諦めていた方にも、質の高いセラミック治療を提供したい」という考えを軸に、以下の取り組みを行っています。
従来の型取りは、嘔吐反射がある方にとって負担が大きいものでした。
当院では口腔内スキャナーを導入し、型取り不要でセラミックを製作できる体制を整えています。スキャンデータはデジタル保存されるため、再製作が必要になった際も迅速に対応できます。
急ぎの方には、当日または翌日完成のセラミック治療も可能です(1本につき6,600円の追加料金)。
従来は歯科技工所とのやり取りで最低1週間かかっていた工程が、デジタルシステムの導入により大幅に短縮されました。「来週から海外出張」「結婚式が近い」といった急ぎのケースでも柔軟に対応します。
当院では、デジタル製作と歯科技工士による製作の両方を用意し、価格と仕上がりの違いを事前に説明しています。
例えば「審美性を最優先したい前歯」なら歯科技工士による製作を、「コストを抑えたい奥歯」ならデジタル製作を、といった選択が可能です。どちらも品質基準は満たしていますが、微妙な違いを理解した上で選んでいただくことを大切にしています。
「セラミック治療は痛そう」「歯を削るのが怖い」という不安をお持ちの方も多いです。
当院では、歯科恐怖症治療を専門とする女性院長が診療を行っており、痛みに敏感な方やパニック障害をお持ちの方にも安心して治療を受けていただける体制を整えています。
特に「静脈内鎮静法」を導入しており、点滴で鎮静剤を投与することで、うとうとリラックスした状態で治療を受けることができます。治療中の記憶がほとんど残らず、「気づいたら終わっていた」という感覚で、痛みや不安を大幅に軽減できるんです。
保険適用での実施も可能な場合がありますので、痛みが心配な方はぜひご相談ください。


ご自身にとって適正なクリニックを選ぶために、以下の項目を確認してみてください。
1. 素材の種類を明示しているか 「セラミック」とだけ書かれている場合は要注意です。e-max、ジルコニア、ハイブリッドなど、具体的な素材名を確認しましょう。
2. 製作方法と工程が説明されるか デジタル製作なのか、歯科技工士による手作業なのか。それぞれのメリット・デメリットを説明してくれるクリニックは信頼できます。
3. 保証内容が明確か 「何年保証」「どんな場合に無償再製作できるか」を事前に確認しておくと安心です。
4. 費用の内訳が明示されているか 「セラミック治療一式◯万円」だけでなく、支台築造(ファイバーポスト)や急ぎ対応の追加料金など、細かい内訳が示されているかも重要です。
5. 診療時間や対応の丁寧さ カウンセリング時間をしっかり取ってくれるか、質問に対して誠実に答えてくれるかも判断材料になります。

A. セラミック治療は基本的に自費診療です。保険適用の白い被せ物(CAD/CAM冠)もありますが、適応部位や条件が限られており、セラミックとは別の素材になります。審美性や耐久性を重視する場合は、自費のセラミック治療が現実的です。
A. 歯を削る際に局所麻酔を使用するため、治療中の痛みはほとんどありません。ただし、麻酔の注射自体が苦手な方や、治療への不安が強い方もいらっしゃいますよね。当院では「静脈内鎮静法」を導入しており、点滴で鎮静剤を投与することで、うとうとリラックスした状態で治療を受けることができます。治療中の記憶がほとんど残らず、痛みや不安を感じることなく治療が完了します。保険適用での実施も可能な場合がありますので、痛みが心配な方はぜひご相談ください。
A. セラミック自体は劣化しにくい素材ですが、「一生もの」ではありません。噛み合わせの変化や、歯ぎしり・食いしばりなどの習慣により破損するリスクがあります。定期的なメンテナンスと適切なケアで、10年〜20年以上良好な状態を保つことは十分可能です。
A. 材質や精度の観点ではセラミックがおすすめです。銀歯は割れにくいというメリットがありますが、パラジウムなど金属アレルギーを引き起こす可能性のある材料が含まれています。また、経年劣化により銀歯の下から二次虫歯になるリスクもあります。
A. 価格だけで判断するのは危険です。デジタル化や業務提携により、質を保ちながらコストを抑えているクリニックもあります。重要なのは「なぜその価格なのか」を説明してくれるかどうか。素材・製作方法・保証内容を確認した上で判断しましょう。
A. 必要です。セラミック自体は虫歯になりませんが、歯とセラミックの境目や周囲の歯は虫歯・歯周病のリスクがあります。3〜6ヶ月ごとの定期検診とクリーニングを継続することで、セラミックを長持ちさせることができます。
セラミック治療の値段が歯医者によって違う理由は、素材・製作方法・設備・技術料・保証内容など、複数の要素が絡み合って生まれます。
単純に「安い=悪い」「高い=良い」ではなく、それぞれのクリニックがどんな体制で、どんな考え方で治療を提供しているかを見極めることが大切です。
当院では、デジタル化と業務提携により「質を落とさず費用を抑える」仕組みを実現しています。さらに、痛みへの配慮として静脈内鎮静法も導入しており、費用面でも不安面でも諦めていた方に、安心してセラミック治療を受けていただける環境を整えています。
ご自身の予算や希望に合わせて、納得できる選択をしてくださいね。気になることがあれば、いつでもご相談ください。
著者
渡辺 敏光
副院長 / 麻酔専門医
昭和大学卒業後、インプラント/歯周病専門クリニックで研修を修了。昭和大学歯科病院歯科麻酔科に入局し、全身麻酔、静脈内鎮静法、静脈麻酔、笑気吸入鎮静法などを実施。2012年よりマリコ歯科クリニックに勤務。日本歯科麻酔学会登録医、歯科恐怖症学会専門医の資格を有する。顕微鏡歯科学会、日本障害者歯科学会、日本歯周病学会にも所属。
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